TAB 多読 -tadoku and beyond!-  

いっぱい読んでたっぷり聞けば、英語はかって出てきます!

  

2013/07/29

絵本のすすめ

夏休みです!
みなさんは、楽しもう、使い倒そう英語計画!!立てましたか?
もし、何をやろうかと迷われているようでしたら、一押し!英語絵本体験がおすすめです!

と、これまでにも多くの生徒や社会人の方に絵本の良さを語ってきましたが、
それじゃあと手に取って、はまっていくのは大半が女性。
男性は、同意しているような顔で話は聞いていても、実のところ。。。
「くだらねー、そんな子どもだましなもの、読んでられるか!?」と、
心の中では馬鹿にされているような気がいつもします。
でもこの投稿を読まれたら、ちょっとは見方を変えてもらえるかな?

みなさんは、Goodreadsという北米ベースの、本好きソーシャルネットワークをご存知ですか?
レビューからジャンルを限定したコミュニティーまで、
様々な情報や機能が備わっています。
おすすめ本のリストもたくさんあって、注目がこのリスト!

10位まで見てくださいね。
あったでしょ、絵本が!ビジネス本の中に!?
きみの行く道
きみの行く道
これは日本語に翻訳もされていて、小学校などの読み聞かせ活動では定番の一つです。
卒業を控えた生徒さんに送りたいお話ですね。

絵本を作っているのは大人です。
明るく軽やかに、時にはしっとりと繊細に、
絵と文章を巧みに使うことで、作者のメッセージがよりわかりやすく描き出されているのです。
使われている英語は、一般の文章に比べてリズム感のあるものが多いですから、
教科書やテキストのお堅い文章ばかり読んでいる方には、新鮮であること間違いなしです!
同作者Dr. Seussの本であれば、図書館に蔵書されていることも多いので、
ぜひ絵本コーナーに足を運んで、探してみてくださいね。
音声付もたくさんあります。
Green Eggs and Ham Book & CD (Book and CD)
Green Eggs and Ham Book & CD (Book and CD)
どちらの本も、英語圏で育つ人には定番で、読み聞かせしてもらうことの多い本ですから、
いくつか読んでおくと、会話のきっかけ、Ice Breakerにも使えますよ。

2013/07/27

英語ムラ 緊急レポート第二弾!

この記事の続きです。

講演の中で、重鎮先生は大学入試の弊害や、「テスト」の害について話していました。それには、私も totally agree です。外国語が自由に快適に「使える」ようになるためには、「テスト勉強」は百害あって一利なし。そもそも、言語が使えるかどうかの有効なテストなんて無理なんですよ。

で、この先生は、CAN-DO Criteria (日本語ではCAN-DOリストと呼ばれているらしい)を提唱していました。要するに、「英語で○○ができる」のような表があって、それにあてはまるかどうかを評価するってこと。例えば、「誕生日プレゼントをもらって感謝を表すことができる。」って基準があったとすれば、どんな表現を使ってもいいからとにかく「感謝を表す」ことができればよい、と。それで、CAN-DOリストを使うときは、先生だけじゃなくって、生徒が自分で自分を評価することが大事、とも言っていました。(ちゃっかり文科省の「検討会議委員」にもなってますね。抜け目ないなー。)

こういうところから話が怪しくなってくるんです。どんな形であれ「評価」しようとすれば結局「テスト」に結びついていきます。

で、予想通り、4時間にわたる講演の最後はテストの話になりました。それも、重鎮先生自身が「英検協会」とタイアップして作成中のTEAPというテストだそうな。上智大学ではこのテストを「新たな大学入試用英語テスト」として今後導入するそうな。そして、これも予想通り、カリスマ英語講師もこのTEAPの宣伝に一役買ってます。

講演が終わった後の質問コーナー(時間がなかったのでお一人様限定でした)で、こういう話が。

「講演の中でテストの害についてお話されていたが、その点は私も同意する。生徒はテストなんかなくても英語へのモチベーションは高い。逆にテストが障害になっている。しかし、結局最後はTEAPという「テスト」の話になる。予備校でTEAP対策の講座ができ、学校の授業も「TEAP対策に役立つ授業」ということになると思う。これでは何も変わらないのではないか。いっそのこと、上智大学の入試から英語の試験を外す等、思いきったことはできないのか。」

それに対する、重鎮先生のご回答を以下まとめます。

①私もテストはないにこしたことはないと思う。しかし、一万人以上の受験者がいる現状では、やはり受け入れる人とそうでない人を振り分ける必要があるので、やらざるをえない。
②TEAPは標準テストであるので、何度も受けられる。また、実質的な英語力と「一応」結びついている。テストは悪だが、悪の中でもよりいいものを、ということで作った。
③韓国でもNEED(?)というテストが開発されたが、大統領が変わって、今は消滅の危機にあるとのことである。アジアでまともなテストを開発できるのは日本だけだと思う。英検は、アメリカやオーストラリアの大学入学資格としても通用している。英語圏以外で作成したテストで、英語圏の大学に認められているものは英検だけである。
TOEICなんかは、スピーキング・ライティングのテストを受検する人は少ない。しかし、TEAPは4技能を全部評価項目に入れている。

なるほどねー。みなさん、このご回答の中に含まれる欺瞞に気づきましたか?

①について。原子力ムラの人と全く同じ展開ですね。「原子力発電はないにこしたことはないかもしれない。しかし、現状では原発に頼らざるをえない。」でも「頼らざるを得ない」はウソなのはもう明らか。それと同じです。振り分ける必要があるなら「国語」や「地理・歴史」や「数学」や「理科」でやればいい。「難関」である上智大学をそういう教科で入試突破できる優秀な人に、重鎮先生の素晴らしい英語教育理論をもって教育すれば「グローバル時代にふさわしい英語力を備えた人材」なんて簡単に育成できるでしょ?

②「何度でも受けられる」から、受験料でがっぽり儲かりますな。

③日本でも英語教育に関わる数々の政策が「消滅」していますよ。その多くに重鎮先生は関わってますよね。学習指導要領1つとっても、この20年で「オーラルコミュニケーション」が導入されて消滅し、「リーディング」「ライティング」が導入され消滅し、あげくの果てに今年から「コミュニケーション英語」「英語表現」が導入されました。(私の予想では10年後には消滅していますけど。)また、講演の中で「英語が使える日本人育成のための行動計画」何の効果もなかったと先生自身認めています。また、講演の中では、TOEFLのスコアや、英語を使えるという「自信」に関して、韓国の高校生の方が日本の高校生よりも優れていると言っていましたよ。あぁそれなのに、「アジアの中で日本しかできない。」って。韓国人が聞いたら怒っちゃうよ。橋本発言で日韓関係が面倒なことになっているのに、こんなこと言っちゃって...英検自慢もしていますが、この重鎮先生、2年前に韓国で行われたTESOLワークショップ「英検よりもTOEICの方がまだましだ。」と言っていたそうですよ。やれやれ。

TOEICにはスピーキング・ライティングテストもあります。受けさせりゃいいじゃん。(別に私TOEICの味方でも何でもないですよ。)

ということで、来週は、こんなセミナー

2013/07/26

英語ムラ 緊急レポート第一弾!?

英語教育界の重鎮、この方の講演を聞いてきました。都研修センターの主催で、参加者は都内の中高英語教員です。100名近くいてびっくりしましたが、半分以上は「10年経験者研修」すなわち「強制研修」のようです。案内には「講義・演習」とありましたが実際はほとんどが一方的な「講義」でした。内容は、上のリンク先に書いてあるようなことなので特に目新しくはありません。要するに、「日本人の英語力が低い。今までの英語教育ではダメだ。」ってこと。何言ってんだか。もう数十年も日本の英語ムラの重鎮やっていて何の責任も感じていないのでしょうか?

英語教育に関する内容は、特に異論はありませんでした。逆に、何も目新しいことはない。真剣に英語教育に取り組んでいればあたりまえのことばかり。実際多くの参加者が居眠りしていました。知り合いの2年目の教員にも会いましたが、「うーん。大学院でやったことばかりだったから、つい寝ちゃいました。」と言っていました。一方、「ふむふむ。」とうなずいたり、学校教員を揶揄した「自虐ネタ」で笑っている教員も3分の1ほど。Shame on you!って感じでした。

 しかし注目すべきは、ムラの重鎮が臆面もなく「ムラの実態」をさらけだした講演であったことです。講演がはじまってすぐこんなことを言い出しました。

2003年に、文科省が「英語が使える日本人」の育成のための戦略構想に基づく政策を実施したが、今結果を見ると、日本人の英語力に変化は全くない。

 いやいやいや!この方、この戦略構想の「研究グループ」の「主な研究員」ですよ。文科省HPにしっかり書いてありますし、ベネッセのこのHPによれば(※1)「第1研究グループ・リーダー」となっています。それでいて、「全く効果がなかった。」と、まるで他人事のように言うのです。この「戦略構想」には莫大な予算がつぎ込まれました。その予算はどこに行ったのでしょうか。教員への研修の講師料や、研究費として、この人のお財布にがっつり入っているはずです。国家予算だけでなく、ベネッセやイオン、その他もろもろの業者からも「講演料」「原稿料」としてたんまりもらっているはず。そんで、10年後の今、あっけらかんと「全く効果がなかった。」ですって。またまた、Shame on you!ですよね。

(※1ベネッセとも相当「癒着」してますよ。後ほど報告しますが。) 

 その上で、「全く効果がなかったから、今はこんな政策を考えている。」ということで、新たな「怪しい商品」を売ろうしているのです。それは次号以降で詳しく報告します。それにしても、まさに「恥の上塗り」ですよね。まっとうな国民、都民のみなさん、もっと怒りましょう。

2013/07/18

英語ムラ 文法も英語で?

英語の授業は英語で、に関する記事は何本も書きましたが、予想通り、現場には様々な「通達」や「指導」や「調査」が来ています。

先日、副校長から連絡がありました。副校長会で、教育長高等学校指導課(略称 高指課)より、以下の連絡があったそうです。

「英語の授業では、文法の指導も英語で行うように。近日、調査をします。」

「調査」というのは、あほらしいアンケートです。全校に送られてきます。たとえば、「英語の授業で何パーセントっくらい教師が英語を話しているか。」「次の項目のうち、英語で指導しているものに○をつけなさい。 ①あいさつ ②生徒への指示 ③内容理解 ④発音 ⑤文法」

って感じでしょう。(送られてきたらここで紹介します。)

しかし、学習指導要領では「文法の指導を英語で行うこと。」とは書いていません。文法に関しては、コミュニケーション活動の中で自然に身につけさせる、ということです。副校長に「厳重に高指課に抗議してください。」というと、「でもさ、俺は、生徒が触れる英語の量を増やすために、たとえ文法を教えるとしてもできるだけ英語を使えってことだと解釈したけどな。」と言っていました。しかし、高指課がそのように言ったわけではないそうです。私の副校長のようにまともな人なら「解釈」できるでしょうが、ほとんどの管理職は単に英語科に「文法の指導も英語でやるように。」と言うだけでしょう。

そのうち、「和訳の指導も英語でやるように。」って言い出すのではないでしょうか。

2013/07/15

英語ムラ 世間に追随でも英語教育学者はやっぱり学者?


こんなサイトを見つけてしまいました。

この方、英語教育に関わる人なら知らない人はいないくらいのビッグネーム。教科書や参考書もいっぱい書いているし、英語教師向けの本もたくさん書いている。Amazonで検索するとこんな感じ。

日本の英語教育の中心となってきた人が、今さら「多読」って言いだす。あきれてモノも言えません。

この10年で「英語多読」は広がりました。しかし、それはこういう立派な大先生が提唱したわけではありません。きっかけは、英語教育界では誰も知らないような人が書いたこんな本でした↓。

この本を読んだ人たちが、こういうサイトをつくって、そこで情報交換しながら英語多読実践者(タドキスト)が増えていった。「多読をしてみたら英語を読むのが楽しくなってきた!」という人たちの「クチコミ」で広まっていったものなんです。英語教育学の大家が提唱し、学校の教員が実践したものでは決してないのです。

さて、英語教育の大家であられるお偉い先生がおっしゃる「多読」を見てみましょう。

多読を成功させるには
  1. 英語に多く触れることが大切
  2. 英語に触れるには読書が一番
  3. 辞書を引かないで、想像力を働かせる
  4. 寝転がって読める (中学レベル) くらいの本を選ぶ
  5. 本は、自己チュウで好きなものを選ぶ
  6. 冊数で勝負する

ちなみに「快読100万語」では、多読3原則として「1.辞書は使わない 2.わからない部分はとばす 3.つまらない本はやめる」ということが言われています。完全にその受け売りなんですが、やはり「お偉い先生」だけあって、「~が大切」とか「~が一番」とか要するに「こうしなさい。」という上から目線。「楽しみながら英語に触れよう!」という多読の根本と全く相容れません。だいたい多読は趣味としての読書であって、「トレーニング」ではありません。(以前紹介したクラッシェン氏は、Free Voluntary Readingと言っています。「自由に自分の意思で読む読書」ってこと。またpleasure readingとも言われます。文字通り「娯楽としての読書」)

また、「中学レベル」というのも、「日本の英語ムラ」にどっぷり浸かった人の発想。学習指導要領でしか英語という言葉を語れないのです。冷静に考えれば、寝転がって読めるレベルはひとりひとり違うはず。例えば、英語の授業をはじめて受ける中学1年生なら当然中学レベルの本を寝転がってなんて読めないでしょ?大人だって、中学のときからずっと英語得意だった人と、ずっと英語が苦手で嫌いだった人では「寝転がって読めるレベル」は全く違います。英語教育の専門家ならもっと科学的に説明すべきではないでしょうか。

また、「寝転がって読めるものを選び」「冊数で勝負する」というのも無責任な言い方。タドキストは、最初は文字のない絵本からはじめます。そして、1冊の語数が数十語の絵本もたくさん読みます。(「快読100万語」には「たとえ英検1級レベルの人でも、最初はここから初めた方がいい。」と書かれています。)私の学校の生徒は、500語以下の本を500冊から1000冊読んで、それからもっと長い本を読み始める生徒が多い。3年間で1000冊以上読む生徒もかなりいます。それだけの本を個人で買えるでしょうか?「快読100万語」の著者や、SSSのサイトを運営している方々は、ブッククラブ多読クラスを運営したり紹介したりして、多くの人がたくさん英語の本を読める環境を作っています。ガイドブックもつくっています。タドキストの方の中には、「身銭を切って」ボランティアで多読クラブを運営してる方もたくさんいます。そういうことをこのお偉い先生はしているのでしょうか?

この方、天下の東京学芸大学教授です。中学・高校教員対象の研修等でもよく講師をしています。本気で「多読が大切」というのであれば、多くの学校の図書館に英語の本をそろえて、生徒が自由に読める環境をつくる努力をすべきです。学芸大学には当然付属の中学・高校があります。付属中学・高校の生徒は英語多読ができる環境にいるのでしょうか?

私の学校には10000冊以上の英語図書があります。授業でも週2時間以上「図書館で本を読むだけ」の時間があります。もちろん借りて家で読むことができます。しかし、これだけの予算をとるのに校長や事務長はじめ、大変な苦労がありました。とはいっても税金で買わせてもらってます。塾や英会話教室で多読クラスを運営している方々は、営業度外視で、まさに「身銭を切って」本をそろえています。自分で買った本を使って近所のこどもに英語多読を体験させている方もいます。この大先生が本当に「多読が大切」と思うのなら、学校に英語多読用の図書をそろえることくらいしなきゃいけないでしょう。英語教育の大家ならそれくらい簡単にできるはずです。

でも、残念ながら、そんなことは絶対しないでしょう。

ほとんどの中学生・高校生が多読をはじめてしまったら、どんどん日本人が「英語ができる」ようになってしまいます。そうすると、偉そうに「授業改善のためのなんちゃらかんちゃら」とも言えなくなるし、「よくわかるくわしい英文法」なんて本も売れなくなります。「楽しみながら英語が身についてしまう。」というのは、英語ムラ住民にとっては既得権益を奪われてしまう一大事なのです。

英語ムラ住民は「日本人が英語ができるように」なんて思っていません。逆です。言い過ぎではないと思いますよ。この方、「学芸大学」の教授です。もしこの人が提唱する教育法が正しいのであれば、付属中高で実践すればいい。そうすればその付属中高の生徒たちは卒業するころには「英語が使える日本人」になっているはず。でも、そういう話は聞いたことがない。日本の英語教育関係の本や論文は「生徒がどうなったか。」という一番大切なことがほとんど書いてありません。「どういう活動をさせるか」「評価はどうするか」とか完全に教師目線の話しか出てこない。研究会でも「優秀な先生」が「拍手喝さい」を浴びる気持ち悪い内輪だけの盛り上がり。

手元にある『和訳先渡し授業の試み』という本で確認してみましたが、やはり、授業を受けた生徒がどれくらい英語ができるようになったかというデータも記述もありません。「生徒なんてどうでもいい」と思っているんじゃないか、といわれてもしょうがないほどひどい本です。研究大会も一度ぜひ見てみてください。教員でない人は吐き気がすると思いますよ。

 同じ「英語教育学者」でも、以前、TOEFL批判で紹介したばアメリカのクラッシェン大先生の本などは、もうデータがばんばん出てきます。いろんなデータを出して「自由に本を読んだ生徒の方が読む力がついている」と主張しているのです。何のデータも示さず「○○が大切」とか「○○が勝負」と言ってるエセ学者とは違います。

Free Voluntary Reading
  • 作者: Stephen D. Krashen







「多読トレーニング」の著者紹介にはこんなことが書いてあります。
  東京学芸大学教授。人文社会学科系 外国語・外国文化研究講座 英語科。専門分野は英語教育学。特に中学、高校の英語教師からの信頼が厚い。著書に『英語教育評価論』(河源社)、『和訳先渡し授業の試み』(三省堂) などがある

「特に中学、高校の英語教師からの信頼が厚い。」これぞまさに英語ムラの構造。悲しくなります。

私は教員ですが、生徒と一緒に多読をやってみて、「これはすごい!」と思って、もっと学校に多読を広めようとしています。同じく、多読を広めようとしている教員もみんな同じ気持です。それほど、多読の力がすごいのです。こんなに楽しく英語が読めるようになる、だからもっと多くの人に知ってほしい!という気持ちなのです。タドキストの方(教員じゃないよ)に様々なアドバイスをもらったり、学校に来て生徒と話をしてもらったりしていますが、「講師料」も「交通費」も出していません。それでも来てくれる人がたくさんいる。「多読の素晴らしさ」を広めたいからです。それにひきかえ、こういう英語ムラ住民の「偉い先生」は本当に日本の教育のことを考えているのでしょうか?

日本の英語教育を「よくする」のであれば、英語教育の専門家の言うことには一切耳を貸さないことが「大切」であり、そこが「勝負」だと思います。また、こんな「英語ムラ住民」に多額の税金をつぎ込むのもなんとかやめさせましょう。

2013/07/11

続々)英語ムラ 

実は今、アメリカの大学のオンラインコースでTESOLってのやってます。日本の現役中高教師対象の10週間コース。こういうの今まで興味なかったんだけど、いや実に面白い。仕事しながらやるのは大変ですけど。土日は一日中PCとにらめっこ。今はグループで作業しているので、グループの他の人の反応も待たなきゃいけない。その時間でいろいろネットサーフをしてたら、またしてもとんでもないものを見つけました。英語ムラの「ムラビト発見!」

  多くの罪のない日本人が、こういうのに騙され、結局映画なんて見れるようにならないのが「英語教育1.0」(これの皮肉です。)。こんなの大ウソ。私は、この人自身も英語ができるとは到底思えません。
  具体的にどこが大ウソか、見てみましょう。

・リスニングが難しいのは「音が聞き取れない」「単語は聞き取れるけど、文の意味がわか らない」「文の意味はわかるけど、何が言いたいのか分からない」などの場合に分けられ ます。

 まず「音が聞き取れない」。これって要するに聴覚障害ってことですか?学者ならもっと正確な言葉を使ってほしいものです。多分、「個々の音素(つまり、appleの"a"とか、bridgeの"dg"とかね。)」が聞き取れないということでしょう。これ、ウソです。私たちが外国語を聞くときには、個々の音なんかに注意してません。そんなことしてたらいつまでたっても意味がわかるようにはなりません。
 また「文の意味がわかるけど、何が言いたいのか分からない」私は、この人が何が言いたいか分かりません。「意味」って「言いたいこと」なんじゃないんですか?文脈がわからないってことですか?多分、「日本語には訳せるけど、ピンとこない。」って言いたいのではないでしょうか。これも、「外国語は日本語に訳さないとわかったことにならない。」というムラの洗脳の結果です。
 細かい話をすると長くなるのですが、第二言語習得に関する論文には、Top-down approach to comprehensionってのがあるようです。要するに、細かいことを積み上げてcomprehension(理解)に到達するんじゃなくって、様々な要素(文脈とか、状況とかね。)から、comprehensionに到達するってのがTop-down approach。私の経験だと、とりえあずガンガン映画を見ているうちに、なんとなく言ってることがわかるようになるというのが第一歩です。そういう生徒がたくさんいますよ。(この人「第二言語習得」に関する本もあるようですが、本当に勉強してるんでしょうか?)

・どの言語でも「書き言葉」と「話し言葉」は異なります。

「書き言葉」と「話し言葉」の違いと言われれば、書くときには「ちゃんと」とか「○○だよねー。」みたいな言葉書いちゃダメよ、って話だと思いますよね。でも、結局は、「言葉の音は塊として聞こえてくる。」という当たり前のことを言っているだけでのようです。そんな当たり前のことは、最初っから、文字を読むだけじゃなくって音もいっぱい聞いてれば自然にわかりますよ。日本の学校では、教科書の「文字」を「文字通り」読むことばかりやって、生の英語を聞かせないからダメなだけ。

・したがって、ハリウッド映画を見るためには、よくある言い回しの「音の塊」を知り、約一万語の単語の「音」といくつもの文のパターンを覚え、「持久力」を身につけなければなりません。音声面でも、語彙面でも、文法でも、英語とかけ離れた日本語を母語とする私たちにとって、そのようなことは、普通に考えれば、不可能です。

 ありゃりゃ。結局、「不可能」って何なんですか!これ、ムラ人のパターンですよ。「これだけ努力を重ねないと絶対できるようにはならない!」。これは、全て映画を見れる人は、実は「無意識のうちに」これだけのことができてるのではないか、という単なる仮説。決して、「これだけのことができなければ見れない!」ってことではないのです。1つだけ例に挙げますが、一万語の単語というのが本当だとしても、映画のジャンルによって、全然出てくる「単語」は違うでしょう。とすると、もうこれキリがないんですよ。まぁだからこそ「不可能」って言いたいんでしょうけどね。

・ しかしそれでも挑戦したい。できるようになりたい。「ハリウッド映画を字幕なしで見る」ためにはどうすればいいのでしょうか。それには、まず、1本、字幕なしで観賞できる映画を作る必要があります。(中略)「何だ、大変だし、時間がかかるなぁ」とお思いになるかもしれません。しかし、まず1本理解できなければ、結局1本も理解できません。

 「まず1本理解できなければ、結局1本も理解できません。」この文、意味わかりますか?日本語力大丈夫なんでしょうか、この人。「まず1本ヒットを打たなければ、1本もヒットは打てません。」って、当たり前じゃないですか。もう少しわかりやすく言うと、「まず1本『完璧に』理解できなければ、結局1本も理解できません。」ってことでしょう。
 これもムラ人の特徴。上で言っている「音の塊のパターン」とか「一万語の単語」とか「持久力」を身につけて、完璧に1本理解せよ、と言ってるわけです。こんなことできますか?忙しい日本人に。私は絶対やりませんよ。こんなことするくらいなら、「ハリウッド映画を字幕なしで」見れなくて結構。そう思いませんか?

・映画を選ぶには、内容が面白いことが何より大切ですが、英語の難しさが映画によって異なることに注意が必要です。聞きやすいのは子供でも見ることができる映画です。聞けるようになるだけではなくて、話せるようになりたいのであれば、素敵な台詞が沢山出てくる映画が良いですね。その役になりきって、鏡に向かって何度か実際に口に出して言ってみてください。とっさのときに口から出てくるかもしれません。そうなれば、もはや、あなたの英語は(たまに)ハリウッドスター並みです。

 「巨人の星」なみの努力を重ねないと無理、と言っておきながら、何なんでしょう、このお気楽なエンディングは。「そうなれば、もはや、あなたの英語は(たまに)ハリウッドスター並みです。」「(たまに)」って何だよ!人をバカにするのもいい加減にしてほしいものです。もう一度この部分、冷静に読んでみてください。支離滅裂じゃありませんか?映画(多分、完璧に理解すべき「1本」のことでしょうが)を選ぶとき、「内容が面白い」「英語の難しさに注意」「素敵なセリフがたくさん出てくる」。もうこの時点で、「普通の」人は、選ぶ気にもならなくなるんじゃないでしょうか。もちろん、それがムラ人の狙いなんでしょうが。

 文句ばかり言いましたが、1つだけ同意することがありません。それは、「時間がかかる」ってこと。そりゃそうですよ。だからこそ、もっと「気楽に」やればいいんです。内容知ってる映画を、英語でぼっと見てみる。何十本と見てれば、この人が言ってる「音の塊」やらなんやらは、無意識のうちに吸収されます。
 
ムラ人の「これやらなきゃダメ!」ってのを一切無視して、生の英語を「楽しむ」。それっきゃないですよ。

 教員がこういうこというと、多分ムラ人は「無責任だ」と言います。じゃあ、うちの生徒を見に来てくれ、と言いたい。字幕なしで、英語のアニメや映画を普通に楽しんでますよ。「単語とか文を聞き取って書けと言われたらできないけど、普通に内容はわかるよ。先生わかんないの?ありえねー!本当にTOEIC満点なの?」とバカにされたこともあります。この事実をどう説明しますか?

 何?そんなんじゃわかったことにはならないですって?ああそうですか。じゃあ逆にお聞きします。あなたも大学で教えていらっしゃることでしょうから、この方法で「ハリウッド映画を字幕なしで見る」ことができるようになった学生さんを紹介していただけませんか?多分一人もいないでしょ。だって、この人自身が、こう言ってるんですから。

私を含め、何年も留学し、英語を使って不自由なく日常生活を営める人であっても、初めて見た映画を、字幕なしで、まるで日本語で映画を見ているように理解できる人はほとんどいないと思います。

 私の周りの多読愛好家の中には、留学など一切したことないけど、「初めて見た映画を字幕なしでまるで日本語の映画を見ているように楽しめる人」いますよ。恥ずかしながら私自身はその域には達していません。でも、もっとたくさん気楽に見てれば、そうなるって確信しています。

 こんな巨人の星方式じゃなくても、「初めて見た映画を字幕なしでまるで日本語を見ているように理解できる」って方、是非コメントください!

2013/07/04

英語ムラ住民 カリスマ講師

予備校やビジネス英語の「カリスマ英語講師」について見てみたいと思います。

以前別のブログに書いたものに少々追加しました。


>皆さんに頼るしかありません。買ってください!シェアしてください!推薦してください!注文してください!レビューを書いてください!日本中に英語好きを増やすために!ご協力を!

今までさんざん、受験英語問題集や参考書で「英語嫌い」を作ってきて、今度は「日本中に英語好きを増やすために買ってください!」とは....本当にそう思うのなら、もう相当お金もうけているはずだから、自費出版するなり、ebookで無料で配布してもいいのではないでしょうか。「なりふり構わぬ宣伝」って、別に宣伝するのはいいですけど...

このHPでは、なんと「俺は多読王になる」というTシャツを来ています。「多読」というのは、受験英語学習とは全く違うアプローチ。今までどっぷりと「受験英語的学習法」を提唱していて、「多読」が広まっていると察知したらとっさに手のひらを返すやり口にはもう呆れます。(念のため言っておきますが、このシリーズは結構いいらしいです。才能と努力は認めます。)実際に、多読を楽しんで英語が普通に読める書ける聞ける話せるようになった人はいっぱいいます。多読、つまり、娯楽としての英語読書に「王」も何もありません。ここにこういう方の本質が見えるのです。つまり、英語学習に常に「序列」を作る。そしてその序列を利用して商売をするのです。何が「多読王」ですか、全く。

この方が10年以上前に「多読」、つまり「日本語に訳さず、わからないところは気にせず、楽しんでたくさん読む」ことの重要性を説いていたという資料があれば教えてください。

具体的にどんなおかしな事を言っているか見ていきます。

この記事では、

>日本中の中高生&中高年を英語好きにするための大作戦です。

中高生がどうして英語が嫌いになるか本当にわかっているのでしょうか。学校でも予備校でも受験英語を叩き込まれ、わけのわからない日本語の文法用語に振り回され、偏差値が低いと予備校で「この講座もとった方がいい」と言われ、「この問題集3回はやらないと偏差値60は無理。」と脅迫されて、嫌いになるのです。受験英語でさんざん商売しておいて、「多読」が流行りだしたら、今度はそれに乗り換える。なんとまぁ。

>この小説は、難しい単語や構文を極力使わずに、シンプルな英語で読みやすく書かれています。でも、本当に大切な単語や熟語、構文はしっかり文の中に組み込んであります。

「大切な」ってどういうことでしょうか?英語を身につけるために「大切な」ものは、当然出てくる頻度も多いので、多読していれば自然と身につきます。日本人の「英語専門家」がわざわざ「組み込む」必要なんてないはず。単なる「売るため」のセールストークです。

>従来の多読教材では、「内容は簡単だけれど、語彙や表現のレベルが高すぎて読書が止まってしまう。」「内容が日本人にとっていまいち興味が持てない。」という声がよく聞かれました。

従来の多読教材?多読は「教材」を読むわけではありません。「本」を手当たり次第読むってことなんです。
日本人にとっていまいち興味が持てない?人の興味なんて様々。日本人ってくくるところが恐ろしい。また、英語の本なんてそれこそ無数にあります。それを「従来の英語の本は日本人がいまいち興味がもてない」ってどういうことでしょうか?英語の本なんて無数にありますし、今やどんな英語の本でもネットで簡単に手に入ります。「日本人がいまいち興味がもてない」なんてどうして断言できるのでしょうか?

確かに、いきなり自分の興味にあった英語の本を多読するのは無理です。だから、最初はこども向けの短い本を大量に読むのがいいのは事実。どのくらいの時間やさしい本、つまり、この人の言う「いまいち興味がもてない」本を読めばいいかは一般化できませんが、少なくとも、予備校通って受験勉強している時間を費やせば絶対にある程度自分の興味にあった本を多読的に楽しむことはできます。(私の生徒の中には、2年間、週4時間の多読授業で、日本の漫画の英語版を読み始めるようになる人がい結構います。)

>このような学習効果を、綿密に計算して

「綿密に計算して...」どのような理論に基づいて、どのような「計算」をしているのでしょうか。例えば、Oxford University Pressの外国人向け英語リーダーは、レベルごとに語彙や文法項目が決められています。その裏には綿密なデータがあり、様々な論文がある。しかし、このシリーズはどのような理論に基づき、どのようなコーパスにもとづき、どのように「綿密に計算している」のか。

また、今あげたOxfordのリーダーなど、外国人向けに語彙文法を制限されたシリーズは、やはりネイティブ向けのこども向け小説なんかよりは面白くないのです。ちょっと考えてみてください。「綿密に計算」しながら、本当に面白いストーリーが書けるでしょうか?

また、上に出てきた「大切な単語・熟語・構文」というのは、生の英語の中で何度も何度も出てくるもののはず。日本人が日本人のために「綿密に計算」してしまったら、大切なものが出てくる頻度が下がるでしょう。

さらに、

たかだか5000語程度のシリーズ、いや、今調べたら数冊しかないようですが、数冊読んで「多読」なわけがない。これ読んだあとどうしろというのでしょうか?だって、「従来の多読教材はダメ」なんですよね。

中学時代英語が「苦手だ」と思っていた高校生でも1年多読すれば、1分100語から150語で英語を読むようになります。1分100語だとしたら、たかだか数時間でこのシリーズを読んでしまいます。そのあとは?

さて、この人が「多読」以外でどんなこと言っているかを見てみましょう。
 
「気をつけろ!」「思い出せ!」「推測せよ!」「避けよう!」「覚えよう!」「惑わされるな!」
 
こんなにたくさんのこと気にしながら、英語読んで楽しめますか?
 
英語を嫌いにさせている、英語を読んだり聞いたりするのをつまらなくしているのは一体誰なんでしょうか?
 
次に、予備校や受験産業全般についてです。
 
私は中堅の公立高校で長く仕事しています。その中で、塾や予備校に行ったことで成績が下がり、第一志望にも落ちた生徒がたくさんいます。あまり信じてもらえないのですが本当です。ある大手予備校(数々のカリスマ講師がいてTVでも派手なCMを流しています)などは、授業はDVDの映像をブースで見るというもの。そして、若いチューターがいて、「君は今回の模試で文法が弱いから、この講座終わったらこっちの文法講座もとった方がいい。」と言われます。必死な受験生はその通りにします。そうやってどんどん講座をとらされ、結果、学力もつかない。でも言われた方は「自分の努力が足りない。」「もっと別の講座もとらなきゃ」と思います。ひどいやり口です。予備校は合格者実績を派手に宣伝しますが、その裏には大量の「失敗者」がいるのです。それも、大量の時間とお金をもぎとられた上で。
 
こんな商売をしている人が言うことは信用できません。
 
さてカリスマ講師に戻りますが、
 
この方、こういう記事も書いています。
 
「英語教育2.0」というキャッチフレーズは、さすが、というか呆れるだけですが(だって、今までこの方「英語教育1.0」でさんざん商売してきたんですよ。)、頭にくるのはこういう言い方です。
 
 
「むなしさ」と言いつつ、テストのための勉強をさせることででどれほど儲けてきたのでしょうか。「テスト以外の方法で英語学習の必要性を創出する方法は思いつきません」という人に、英語を教える資格なんてあるのでしょうか?
 
実際には、テストを盾に生徒を脅迫するから英語をやろうという動機を失っているのです。試験や検定など気にせず英語を楽しむ若者はたくさんいます。FacebookTwitterで海外の、それも非英語圏の友人と英語でコミュニケーションする若者もたくさんいます。「英語の必要性」を歪め、「まじめな中高生」のやる気を失わせているのはこの人たちなんです。詭弁もここまでくると許しがたいですね。
 
結局、上智大学がこの試験を開発することでも金が動き、そして試験が導入されれば今度は試験対策で予備校や出版社が儲かる。それだけの話なんです。こんな人たちの言うことを信用してはいけないのではないでしょうか。
 
こんな人たちの言うこと信用するのやめませんか?